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―― え、そうなんですか!?
そんなものですよ。赤字になってしまう作品のほうが多いんです。
―― それでは、どうやって「商売」として回しているんですか。
一握りの作品が、赤字になった作品の損失分を補填して回しているという状態なんですよ。
私が言う、売れる、当たるというのは、アニメの商売でボロ儲けしてプロデューサーと一緒にフグを食べに行くとか、そういう意味じゃないですよ(笑)。定められた予算を回収して、その上で、最後に金庫に10円玉が1個残りましたと。それでいいんです。10円玉1個が残れば。
―― 10円玉1個でも?
そうです。10円でも黒字になれば、「次の作品」が作れるんです。アニメのスタッフ全員にギャランティを払い終えてもなお黒字になれば、みんながこの仕事で生活していけるじゃないですか。こういった業界にいる人たちは、永久就職したわけではありませんから、誰かが認めてお金を出してくれないと、制作者たり得ないんですよ。
―― 黒字になれば、どのスタッフも生活していけて、次の仕事につながると。
そうです。黒字にしないと、お客さんにも、「次の作品」を楽しんでもらうことができないですしね。作るには場所も必要だし、スタッフの生活もある。そこまで含めた予算を全部回収できて、初めて「黒字」なんですね。
ただ、裏を返すと、これはやっぱりアニメ業界のいいところだと思うんですけれども、10円でもいいから黒字をつくるということは、一昔前の「勝ち組、負け組」という言い方をすれば、すべてが「勝ち組」になることができるんですよ。